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オカピとまるもりのサステナブルコーヒー通信 後継者問題編
コーヒー消費国だからこそ、その先の未来を考える
日本はアメリカ、ブラジル、ドイツに次ぐ世界第4位のコーヒー消費大国で、コーヒーは私たちの生活の一部となっている飲料の一つです。生産国では日本と同様、若者の農業離れが深刻化していて、生産量の減少にも影響のある後継者不足が大きな懸念点として挙げられます。
そこで第1回目のサステナブルコーヒー通信では、若手生産者との交流経験もあるサステナビリティ推進室・まるもりとともに「コーヒー産業と後継者問題」について考えていきましょう!えがお担当・オカピが自家焙煎店・消費者の皆様に代わって質問していきます!
後継者問題とは?
ICO(International Coffee Organization)によると、全産地の平均年齢は50歳以上とされています。コロンビアのトリマ地域では、農家数169人を対象にした調査で、平均年齢が56.8歳だったという報告もあります。この数字だけを見ると、そう深刻ではないと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、このまま若年層の事業継承や新規参入がなければ、高齢化はさらに進行します。そうなれば、世界のコーヒー農家の約7割を占める家族経営の小規模農家は、事業を畳むしかなくなってしまうでしょう。こうした状況は、結果的にコーヒー生産の持続可能性を大きく脅かす事態へと繋がります。
なぜ若者はコーヒー生産に就かないのか?
若年層がコーヒー農業を継がない理由は、単なる「農業離れ」ではありません。収益性の低さ、土地や資金へのアクセスの困難さ、気候変動の影響、教育機会の不足、そして農業に対する社会的評価の低さなど、複合的な要因が絡み合っています。特に、コーヒー農家の低い収益性は、若者が貧困からの脱却や生活の安定を求めて都市部へ移住する大きな要因です。また、教育水準の向上は、農業以外のより高収入な職業選択を促すことになり、この傾向をさらに強めています。
後継者問題が加速していく中、力を合わせて高品質なコーヒーを生産し続けている
デイロさん親子(USプレミアムで取り扱ったことのあるベジャビスタ農園を運営している)
私たちにできること
この「後継者問題」は、最終的に収量低下による価格上昇を引き起こすだけでなく、生豆の品質維持にも深刻な影響を及ぼしかねません。では、この課題に対し私たちに何ができるのか。そのポイントは以下の通りです。
・継続的なサポート: 一過性の支援ではなく、長期的な視点での継続的なサポートが不可欠です。
・コミュニケーションと学習機会の提供: 外部との交流や、知識・技術を学ぶ機会を提供し、生産者のモチベーション維持と品質向上に繋げることです。
実際に若手生産者の方々と対話する中で、「コーヒー農家がいかにすごい仕事なのか、そして彼らが作ったものでどれだけの人が喜んでいるか」を伝え続けることが重要だと強く感じています。まずは、「品質を追求すれば、その価値は正当に評価され、しっかりと収益につながる」ということを理解していただくことが重要です。そして、消費サイドからのリアルなフィードバックを定期的に行い、外部とのコミュニケーションを通じて新しい知見や刺激を得る場を提供すること。課題解決のためには、このポジティブな循環を作り広げていく必要があると確信しています。
えがおプロジェクト第4弾「タンザニア COFFEE CLUB」
私たちとしてはまず自家焙煎店の皆さまに本プロジェクトを知っていただき、プロジェクト商品の購入を通して、ともに課題解決に向け取り組んでいただきたいと考えます。そして本プロジェクトにご参加いただいた自家焙煎店から一般消費者への販売を通してさらに支援の輪が広がることを願っています。
現在「タンザニア COFFEE CLUB」を販売していただいているえがおプロジェクト商品取扱店舗はこちらからご覧いただけます!
https://www.egao-fortheplanet.com/search/project_detail.php?id=12
「コーヒー産業の課題解決に向け何か取り組みたい!」
「未来のコーヒー生産者を応援したい!」
「これからも美味しいコーヒーを飲みたい!」
皆さまそれぞれの想いを抱いて、1人でも多くの方にご参加いただけますと幸いです。
次回のテーマ
生産国における課題は後継者不足だけではありません。そこで第2回は生産者の多様性について迫っていきます!
コーヒーを飲む私たちだけでなく、生産者にもえがおになってもらうような取り組みについてもご紹介いたします。次回もぜひご覧ください!